JOURNAL 2018/07/25

" BNBアナザーライン【BUT(バット)】デザイナーインタビュー! "

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1997年に立ち上がりスタートした「(BRU NA BOINNE)ブルーナボイン」。
当店も同年にオープンして以来永く取り扱いしておりますが、昨年新たに立ち上げたアナザーライン【BUT(バット)コレクション】を2018AWシーズンより当店で展開致します。

ブランド立ち上げのきっかけから商品の事、その他色々なお話をデザイナーである辻さんと徳田さんにお伺いしました。

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B いよいよ今年の秋冬から当店でも【BUT】の取り扱いがスタートします。まずはどういうブランドなのかを教えていただけますか?

辻 簡単に言うとブルーナボインの海外生産ラインです。アイテム的には革モノですね。チャイナ服だったり、カーディガンだったり、「革で作るか、このカタチを」みたいなモデルも結構あって面白いですよ(笑)。

德田 最近はレザーといえばライダースばっかりで、デザインされたものって少ないもんね。イタリアとかに行けば、いろいろあったりして面白いのは面白いけど、個性的すぎてファッションとしてはちょっと……みたいな感じだし。だから【BUT】は「みんなもっとファッションしようぜ!」っていう気持ちを大切にして作ってる部分もあります。

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辻 ちなみに【BUT】にもライダースタイプはありますよ。やっぱり革の入口として必要だと思いますから。でも普通に作るだけでは面白くないので、アメリカのライダースとイギリスのライダースの、いいとこ取りをさせてもらいました(笑)。

B さすがですね。そもそも【BUT】はどういう経緯で立ち上げられたんですか?

辻 僕らがファッションの仕事に携わるようになって30年弱になるんですけど、日本国内の縫製工場って年々減ってきてるんです。だから工場自体はもちろん、そこで働いてる職人さんたちの技術も守りたいという気持ちもあって、ブルーナボインではメイド・イン・ジャパンにこだわったモノづくりをしてきたんです。

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B でも、【BUT】は海外生産ですよね。

辻 そうです。中国で作ってます。なぜかと言うと、日本で長いことモノづくりをしていると、いろんな人との出会いがあるんですね。その中で、中国に革の工場を持ってるという日本人の方と出会ったんです。で、話を聞いてみたら、その工場では縫製から加工までを、自分の所で一貫してやられてて。

德田 裁断して縫製して検品してまでは当たり前だけど、加工まで一貫してできるっていうのは、革の工場としては規格外なんです。工場も現地まで見に行ったんですけど、製品の品質とか納期が日本と同じか、もしかしたらそれ以上にキッチリ管理されててね。

辻 環境もめちゃくちゃいいんですよ。革の縫製工場としては、ちょっと異常なぐらい清潔で。あと、働いてる人には保険も休みもちゃんとある。残業もほとんどないどころか、ちょっと早めに帰ったりするお母さん連中もいてたりしますから(笑)。

德田 だからみんな安心して働けるんです。そうすると仕事中も気持ちが落ち着いてるから、結果的にそれがいい仕事に繋がってるんでしょうね。

辻 それだけ設備と環境が整ってる工場に出会って、場所が中国だからナシっていうのは、モノづくりに携わる人間としてどうかしてるでしょ。お客様にいいモノを届けるのが僕たちの仕事ですから。

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B 【BUT】で展開してるアイテムを、日本で作るのは難しいんですか?

辻 できないことはないですよ。ただ、中国で作った方がアドバンテージが大きいんです。

B 具体的に言うと、どの部分ですか?

辻 革ですね。基本的に食料として肉をいただいた後に出る副産物なんです、革って。で、【BUT】のアイテムには羊の革を使ってるんですけど、羊の肉って日本ではそんなに食べないでしょ。

B 確かに。

德田 ところが中国には、羊の肉をたくさん食べる文化があるんです。だから革も手に入りやすい。やっぱり供給の多いところで作った方が、作業的にもコスト的にもメリットは大きいですから。

辻 もちろん、中国とかヨーロッパから羊の革を輸入することも可能ですよ。でも革の関税ってベラボーに高いんです。なにより、そういう部分まで一貫してフォローしてくれる工場を日本で見つけるのがまず至難の業。たとえできたとしても上代がとんでもないことになるでしょうね。

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B それは僕たちも困ります(笑)。でも、どうして羊の革を使おうと思ったんですか?

辻 表面にコーティングとかが入ってない、素上げのレザーが好きなんですよ。着込んだときの風合いが全然違うので。その素上げに向いてるんです、羊の革は。

B どういうところがですか?

辻 羊って毛に守られてるでしょ。だから肌にケガをしてないんですよ。

德田 そう。お肌がキレイ(笑)。

辻 ところがこれが牛となると、お腹、肩、背中で全くといってもいいぐらい質が違いますからね。きっちりコーティングしないと革として成り立たない。馬は毛が繊細な上に、そこら中を走り回るでしょ。だから虫にも喰われるし、ケガもする。ただ馬の場合は、それがワイルドでいい味になってる部分もありますけどね。

德田 それでもアランジャケットとかに使ってる馬革は、半分ぐらい使えない部分が出てきますよ。その点、羊は小さい判でもキレイに仕上がるから、素上げとの相性がいいんです。   辻 あとは、羊の革って滑らかで柔らかいから、馬革ではできないデザインができるというのも、いいところです。でも、そういう部分も含めて、すべてはブルーナボインという土台がしっかりあるからこそ、できることなんですけどね。

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德田 そうそう。この20年で本当にいろんなことを勉強させてもらった。いいものをつくるためには、気持ちとか価値観を共有できる人との出会いが大切っていうのを教えてくれたのも現場の人たちだし。それがなかったら【BUT】はできてなかったかもしれいないですね。

辻 だからね、中国でものを作る目的って、一般的にはコストを下げることにあると思うんです。でも、僕たちの場合は、まず最初にいい出会いがあって、そこにいい革といい工場があって、それがたまたま中国だったというだけの話なんです。もちろん、メイド・イン・ジャパンにこだわったブルーナボインのモノづくりは、今まで通りというか、今まで以上に頑張っていきます。 “しかし”ですよ。あ、英語で言うと「BUT」ね(笑)。”しかし”、いい出会いがあれば、海外でも積極的にモノづくりをしていきますよ、と。そういう想いも込めて立ち上げたのが【BUT】なんです。

德田 もしかすると来年は、また違う国でモノづくりをするかもしれないしね。

辻 出会い次第ではあり得るね。ブルーナボインも結構、自由なモノづくりをしてますけど、それとはまた違う柔軟さがあるのも【BUT】のいいところ。

德田 どちらにしても、きっちりといいものを作っていくというスタンスは同じなので、ブルーナボイン共々、【BUT】をよろしくお願いします。

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